錫板の制作

※この作業は危険につき真似をしないで下さい。又、講座に於きましても指導対象外です。

錫器は型に流し込む鋳込製法が主流だが、鍛金(に近い)では板状にしてから作業をする。錫塊だけでなく前回の余りや失敗部分も純錫部分は材料として再利用できる。
錫器は非常に古い歴史を持つが陶器に比べ骨董品が異常に少ないのは、こうした再利用によりその時代に認められなかった物や不用品は残る事がなかったためであると云われる。

全てが溶けて無くなった明鏡止水の状態(約231度)。この作業時、特に気を付ける事は、釜や錫に水分がある場合に溶けた錫の水蒸気爆発を起こすことである。

使用する厚みの紙枠に流し込んで錫板の完成。

キサゲは自作(下)か「切出刃物」を改造する(上)。

この後、模様打ちをする場合等に、表面の皮膜を剥ぎ地肌を出す作業になる。使用する道具は「キサゲ」という皮1枚を剥ぎ取るためだけの刃物で切れない。特に錫工芸ではこのキサゲを多用し錫工芸専用のものを使用する。

下準備は地味な作業であるが、作品の品質に繋がる重要な工程である。造った日によって微妙に錫板の状態は違う。

下準備の完成。

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