銀器の磨き直し

銀器の磨き直し

銀製銚子の磨き直し。錫器の磨き直しと違い、磨き傷が付き難いため神経を使わない。
磨き直し前の写真は撮っていないが、表面は酸化変色と自然に付着した汚れにより、光沢は無く黒ずんだ褐色っぽい色で、中は水道水の成分(と思われる)が地金と反応し白くこびり付いた状態であった。

画像の銀器ではないが、錫器の場合は古色を味わう金属の趣があり、あまり磨き直しはお勧めしない。 鏡面的な磨き直しは、味で目立たなかった小傷も煩く見え、その傷も消す磨き直しへとなり簡易には済まない場合が多い。錫器は陶器と同様に、時間が生む古色や使い込まれた小傷による味は、より素材の質感を高める一つの表情になると思われる。

上の銚子の取手部分は、レールに添って金属球が転がっていく玩具(インテリア?)を模したものか?アンソニー・ホプキンスが出ていた映画でそういうものを観た記憶がある。
左は容器内に入れる台で、燗をする場合に使うものだろう。菊花の透かしかな。

銀器の磨き直し

こういう依頼は、普段の作品制作とは異なる作意を感じることが出来、又、使い勝手からなる意匠や造形、寸法は非常に勉強になる。特に古い秀作は、観るだけでなく造りまで触ることで、さらに洗練された造形が観えてくる。

銀器の磨き直し

※錫器、銀器、銅器などの金属器の磨き直しは、お気軽にご相談下さい。金属の種類や表面の表情により価格は異なります。尚、メッキ加工の物は、当工房ではメッキがけを行なっていませんのでお断り致します。
(錫器は判りますが、他非鉄金属品の場合はメッキ加工かどうかは私には識別できません。刻印の表示やお客様のご判断に頼る所となります。)

参考: 錫器の磨き直し